ここでは、技術士の資格をとるために第一次試験に合格した後、第二次試験受験のための資格について説明します。
まず、技術士の第一次試験に合格した人は、技術士補という資格に登録することができます。第一次試験を受験していない人であっても、国務大臣が指定をした教育機関を修了した人も、技術士補の資格に登録できます。この資格に登録した後に一定の条件を満たすことができれば、第二次試験を受験することが可能です。この第二次試験に合格すれば、技術士の資格を取得できます。
技術士補の資格を登録するために必要なことは、登録の申請です。第一次試験に合格しただけではなることができないので、この資格を取得したい人は、第一次試験に合格した後に、登録を忘れないようにすることが必要です。
注意をしなければいけないのは、この資格を所有していることを、人に教える場合です。まだ登録が完了していないのに、この資格を所有していることを人に言うと、違法行為になってしまうので、必ず登録を終えてから、使用する必要があります。
技術士補の資格に登録をした人が、第二次試験を受験するために必要なことは、一定の期間の実務経験です。この資格に登録した人ならば、4年間を超える実務経験を持っていれば、第二次試験を受験できます。ですが、どのような働き方であっても、この条件を満たせるわけではなく、実務をした経験が4年以上ある場合でも、第二次試験を受験できない場合もあります。
実務を4年以上経験しても第二次試験を受験できないのは、指導者のいない職場で仕事をした場合です。資格に登録してから4年間で第二次試験を受験するためには、必ず指導技術士のいる職場で4年間働くことが必要です
指導技術士がいない職場であっても、特定の条件を満たしていれば、第一次試験に合格してから4年間で、第二次試験を受験することは可能です。この場合に必要となるのは、職務上の監督者の指導を受けながらおこなう4年間の実務経験です。この条件を満たすことができる監督者とは、一定の条件に当てはまる人物のことです。資格と関係のある科学的な技術を使用する仕事を7年を超えておこなった経験がある人だけが、上記の監督者になることができます。この条件を満たしていない人が監督者になっても、4年で第二次試験の受験資格を取得することはできません。
さらに、規則で決められている指導者や監督者がいない職場で働いている人であっても、第一次試験に合格した後に、一定の条件を満たせば、第二次試験を受験できます。この場合に必要となる条件は、7年間の実務経験です。指導者や監督者がいない分、3年ほど多くの実務経験が必要になりますが、7年の実務経験を取得することによって、試験を受けるために必要となる十分な経験と認められるため、第二次試験を受験できます。
この場合の7年間の計算をする時には、第一次試験に合格する前の実務経験を加算することもできます。例えば、第一次試験に合格する前に1年間の実務経験がある人ならば、試験に合格してから6年間の実務経験を得れば、第二次試験を受験できます。上記の3種類の方法は、どれか一つの条件を満たせば受験資格を取得できるので、第二次試験を受験したいと考えている人は、自分にとって最適な方法を選べます。
第二次試験を取得するまでの期間にこだわっていない人ならば、指導者や監督者のいない職場で7年間働いて、しっかりと実力をつけてから、第二次試験にチャレンジすることもできます。第一次試験を受験してから、できるだけ早く第二次試験を受験したいと考えている人は、指導者や監督者のいる職場を選んだ方が最適です。
第一次試験に合格した人が就職活動をする時には、こうした指導者や監督者がいるかどうか、応募をする前に調べておくこともできます。指導者や監督者がいる職場に採用されて、働くことができれば、比較的短い期間で第二次試験を受験することが可能です。
なお、第二次試験を受験するための実務経験は、同じ職場での職務経験である必要はありません。指導者や監督者がいる職場ならば、複数の職場で働いた実務経験の合計期間が4年を超えて入れば、その時点で第二次試験を受験できます。複数の職場で働いている人は、前の職場と合わせて、自分がどれだけ働いてきたか、調べておくことが必要です。場合によっては、自分で気がつかないうちに、4年間の実務経験を超えていることもあります。複数の職場の実務経験を加算して4年間に満たない場合でも、あとどれくらい働けば試験を受験できるかわかるので、試験の準備もしやすくなります。